[公演]

幕末純情伝 (公演終了)

公演の感想(詳細)

P-小野寺
2008/9/1() 07:28
観劇日
2008/8/26
満足度
3.0
ストーリー
3.0
演出
4.0
キャスト
4.0
音楽
4.0
この公演を表すキーワード
これぞ王道!
ファンです
切ない
感動!

戯曲のベースは残しつつ、出演する俳優や時代によって、台詞や物語が変化していくのは、つかさんの芝居の魅力の一つ。

政治や社会が弱いものに対し、圧迫を強いる構造がまかり通るこの時代に、あえて「幕末純情伝」をつかさんが自ら演出する事の意味を勘ぐってしまう。

石原さとみさん、真琴つばささんを主演に据えた、今回の公演がどうなるのか、本当に楽しみに劇場に足を運んだ。

幕が上がる直前まで、ワクワクして、血がかゆくなるような感触。

いざ幕が上がった瞬間、私はあっという間につかワールドへと引き込まれた。

歌有り、ダンス有り、殺陣有りと、俳優達を徹底的に魅せようという演出は、私にとってはとても心地よかった。

石原さとみさんのエロいシーンばかり、マスコミで取り上げられているが、そうしたシーンは確かに良かったのだが(笑)、それ以外にも彼女がよい演技をしているシーンは結構あった。

そしてこの芝居には、つかさんのメッセージが至る所にあふれていた。幕末という時代から、明治維新、そして現代と、俳優達の台詞は次から次へと時間軸を飛び越えている。

単なる幕末モノだと思って、ゆらり劇場に足を運んだら大変な事になる(笑)。

今回上演された「幕末純情伝」は、良くも悪くも、つかさんらしい作品だった。なんだか80年代の小劇場な感じ(笑)。



つかさんの芝居は、過激で過剰な人情劇だと思う。ひどく攻撃的な台詞を機関銃のように浴びせられる事を、必ずしも良しとしない人は多いのかも知れない。

今回の公演では、様々な演劇レビューのサイトで、批判的な意見が多く投稿されている。

だけど私は、この芝居がとても温かく、優しく、心に響いてきた。

もちろん一部の俳優の滑舌の悪さだとか、ダンスのつたなさとか、私だって「うーん、どうだろう」と思う点はままあった。

だけど分からないなら、それでいいのだと思う。この芝居の良さを感じられたのが、万が一私一人であったとしても(笑)、それはそれで良いと思った。

私にとってこの作「幕末純情伝」は珠玉のエンターテイメントな作品だった。

ラスト近く、なぜ子どもが欲しいかと、真琴つばささん演じる坂本龍馬に問われて、石原さとみさん演じる沖田が答えるシーンがある。

私はそのシーンがたまらなく好きだ。

「お年寄りが信号渡るまで手を引いてあげられる子どもに育てたいと思ったんだよ。立派な人間にならなくていいんだよ。ただそういうことが出来る子どもがいなきゃ日本がだめになると思ったんだよ」

私は間違いなくこの芝居を観て、勇気や元気を貰った。

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