ブロードウェイミュージカルショー『SHOWTUNE』公開稽古
作詞・作曲は、かのブロードウェイで数々のヒットミュージカルを生んだ、ジェリー・ハーマン。
彼のヒットメドレーが44曲も詰まった本作品は、元タカラジェンヌ9名の熱演によって、さらに魅力が増し、これぞオフブロードウェイミュージカルショーと呼ぶにふさわしいものとなっている。
初演を10日後に控えた稽古は、通しで披露。44曲もの曲数にも関わらず全て完成に近い出来になっていた。
本格的な稽古は約1ヵ月前から始めたというのに、9人の息はバッチリ。
年齢は様々でも、元「宝塚」という同じ環境で育っただけあり、舞台に対する共通のなにかを感じ合えるようだ。
元星組トップスターの麻路さきさんは、「私自身実際現役の時に接したのは、うたこさん(剣幸さん)くらい。若い子たちにとっては、今まで自分が観客側から憧れて見ていた先輩を同じ稽古場で生を見れることは、本当にうれしいことだし、刺激になると思います。」と、現役とは違ってOGだけで演じることの魅力を語ると、元月組トップスターの剣さんも、「宝塚って上下関係は厳しいんだけれども、上級生が下級生に教えてあげて、それを素直に受け止めるという、宝塚ならではの伝統がいつまでも続いていけるのはいいですね。」と、2人とも宝塚の魅力を改めて感じているようだった。
見どころとしては、やはりジェリー・ハーマンの数々のヒット曲。
曲によって、1人1人が男役、女役、オカマ役(ラ・カージュ・オ・フォールにおいて)と様々な役を演じるようだが、現役時代は男役、娘役と決まった役を演じていただけに、新鮮なものがあるだろう。
麻路さんにいたっては、それに加えてピアノマンも演じる。
場面ごとに衣装だけでなく、気持ちや演じ方も変えているのは必見である。
第2幕のタップ場面はノリノリでオススメだ。歌唱力だけではなく、ダンスのすごさも魅せられ、あのリズムで客席をも一体化させてくれる。全体的に道具を使う場面も多いので、迫力も出てくる上、ソロや2人組での見せ場が多々ある点も、見どころであろう。
今1番苦労している点を伺うと、「"見せる"ピアノ、"聴かせる"ピアノ、役者、この3役の使い分けですね。」と、麻路さん。
舞台上にピアノを置いて演奏するだけあって、ただ裏でピアノを弾いているのとは違う、"演奏家を演じる"難しさがあるらしく、聴かせながらも一緒になって作り上げ、さらにピアノマンとしての演技を見せるために、若干のオーバーさを出すことを意識しているようだ。
また、8章節という短いタイミングごとに変調したりするのは、クラシックにはないミュージカルならではの難しさ。「今まで裏で弾いてくださっていた演奏家の方々の苦労を知りました。」と、大好きなピアノのに対する不安な心境も語ってくれた。
それに対して、剣さんは、「1番気を遣っているのは体調ですね(笑)ドラマなどと違って舞台は生のものだし、9人という代わりのきかないもの。みんなに迷惑をかけないためにも、元気でいることには気をつけています。」と、答えてくれた。
稽古を見ていて感じたのは、とにかくみんなが『なかよし』。
舞台袖でアイコンタクトをしたり、休憩時間には出演者だけでなく関係者みんなでジャレあったり、アドバイスしたり・・・立場や年代を越えた交流ができるのも、楽しめる秘訣かもしれない。
宝塚ファンであれば、退団したスターたちの演技が再び観れる喜びがあるのはもちろんだが、初心者であっても十分楽しめる内容になっている。
むしろ、小中学生が観たら本気で宝塚入団を目指してしまうかも?!
表情1つ1つでも演技しているので、観に行くならぜひとも近い席を取ってほしいものである。
2008年11月14日(金)~24(月) 天王洲 銀河劇場にて
28日(金)~30日(日) 兵庫県立芸術文化センター・中ホールにて上演。
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